レザーの種類はとても豊富

レザーの種類はとても豊富で、
張り、光沢、風合いなど様々だ。

忘れてはならないのが、そのどれもが天からの授かりものだということ。
食物連鎖の末に残された人類の貴重な財産なのだ。

 実はレザー=革は、HYODにとって特別な存在だ。HYODは創業してからレーシングレザースーツとストリート用レザーウエアが私たちの中核にある製品であり続けた。なぜ、私たちHYODはレザーにコダワリ続けるのか?
 レザーは、テキスタイル=化学合成繊維やコットンなど天然繊維も含めて、非常に優れた強度(引き裂き・擦れ)を誇り、しかも防風性に優れていて、ライディングウエアには最良のマテリアルのひとつだ。だからこそ、純粋にパフォーマンスを優先するロードレース用レーシングスーツに使われている。また、適度な張りは、エアロダイナミクス(空気抵抗)とフィット性を重視するロードレース用に向いている。
 ただ、可動域を広げるためにシャーリング(レザーとストレッチ素材を縫い合わせる)やケブラーニット(伸縮性に富む)を使い(ケブラーニットは相当使う)、通気性と軽量化からパンチングメッシュレザーも多用する。要するに強度を最優先しなくてもよい個所に使っていくのだ。レザースーツではあるが、最新のレーシングスーツは、フラットなレザー以外のパーツの面積が非常に多くなってきている。
 一方でトラディショナルなレザーの風合いを生かしたジャケットやパンツは、ROMAN BLACK、ST-X、365などで幅広く展開している。ROMAN BLACKやST-Xは牛革がメインだが、365では羊革(しなやかさが特長のシープレザー)を使っている。そして牛革といっても様々だ。たとえばROMAN BLACKに使われるバロンレザー(1.4mm厚)とイフリートレザー(1.2mm厚)では性質も風合いもまるで異なる。バロンレザーは去勢された食用2歳以上雄牛の皮を加工したもので、イフリートレザーは乳牛のものだ。リッチな光沢があるバロンレザーに対して、イフリートレザーは上品な7分艶になっている。張りは当然バロンレザーのほうがあり、イフリートレザーはとてもしなやかだ。
 いずれのレザーも天からの授かりもの。(牛も羊もレザーのために殺しはしない)。ありがたく大切に使わなければならない。だからレザーは単なるウエアの材料ではなく、愛すべき存在なのだと思う。